二人は居間でくつろいでいた。 何気ない会話の中でユノが 「チャンミナ…あの娘とはどうなった? 最近話に出てこないな」 と聞いた。  チャンミンがあっさりと 「別れた」ユノの顔を見ずに言った。 「なんで?」 「別に… もう無理だっただけ」  ユノの問いかけにチャンミンは淡々と答えた。 「無理? どういう意味? あんなに好きだ〜って言って、追いかけてやっとOKもらったのに?」 納得のいかないユノはしつこく聞いたが チャンミンは 「うるさいなぁ〜  ヒョンには関係ないだろ」と少し睨みながら言った。 その言葉にユノはカッとなり、 「関係ないよ! そうだよ!!俺には全く関係ないよ!」 「なんだよ、なんでヒョンがそこで怒るんだよ」 「全然!全く!これっぽっちも怒ってなんかいないね!!! おまえが誰とつきあおうと、別れようと俺には一切関係ないね!!!!」 ユノはイライラと早口でそう言うと、 部屋を飛び出して、どこかに行ってしまった。  俺はなんで怒ってるんだ? なんでこんなにイライラするんだ? チャンミナが女と別れたって、構やしないじゃないか… その方がマスコミ対策しなくて、助かるじゃないか… そうだよ…じゃぁなんでこんなにイライラするんだ?  ユノは公園のベンチに腰をかけて、頭を抱えた。 最近自分の気持ちが自分でさっぱりわからない。 先の見えない不安がイライラさせるのか?? 二人で頑張るんだ。 何がどうなったって、二人で頑張るだ。 チャンミナと二人で… そうだろ?違うのか? ………   関係ない。 なんて言うなよ  …… 俺を突き放すような事言わないでくれよ …… 頼むよ…   チャンミナ …  チャンミンを残してユノは出て行ってしまった。 … なんでヒョンが怒るんだよ … 僕があの娘と別れたからって… なんでヒョンが怒るんだ?   あの娘と逢っても楽しくなくて… 何だかとってもつまらなくて…  早くヒョンのいるこの部屋に帰ってきたくて… ご飯食べるの忘れて、ゲームしてるんじゃないかとか もしかしたら、僕が帰るの待ってるんじゃないかとか… 何も話さなくても、一緒にいるとホットして。 ゲームしてる顔見てるだけでも、嬉しくて… 一緒にいたくて… ヒョンのそばにずっといたくて… そんな気持ち抱えたままで、あの娘とつきあってたって よくないじゃないか… だから、別れたんだよ!! そんな事ヒョンに言えるわけないだろ!! 言えるはずないじゃないか!!!!!  一人頭を抱えて悩むユノのスマホから、メールを知らせるメロディーが鳴った。 チャンミンからだった。 「カルボナーラが出来たよ」 冷え切った体に温かいシャワーを浴びたような、 凍った心が溶けて行くような そんな気持ちでユノはチャンミンの待つ家へと戻った。 つづく