「ヒョン…」 チャンミンは熱く、強く、そして甘く重ねていた 自分の唇に触れ、今までそこにあったユノの感触を確かめた。  ヒョン 本気かな?同情じゃないかな… 同情で男にあんな事出来ないよな…  チャンミンはついさっきの出来事を思いだし、カァーと体全体が熱くなり 耳まで真っ赤になった。 さぁ 僕も練習頑張ろ。  軽くなった気分とニヤける顔で 出かける準備を始めた。  「チャンミナ…」 ユノはチャンミンの叫びが頭から離れなかった。 「…僕がこんなにヒョンの事好きなのに、知らん顔して置いて行くんだろ!!!」 チャンミナ…俺がベタベタしたら、あんなに嫌がってたのに。 元々照れ屋で自分の感情を表には出さなかったけど、 まさかそんなに俺の事…? これで、気兼ねなく、チャンミナの事を心配して、守ってやれるんだな。 ユノはホッとして、舞台の台本を開いた。 二人は懸命に自分の置かれた立場を守ろうと努力した。 練習に練習を重ね、前へ進もうと頑張った。 その夜チャンミンが先に部屋に帰り、ユノの帰りを待っていた。 携帯のメールを見て、クスっと笑う。 ユノから届いた今日1日の沢山のメール ”レッスン終わった?” ”怪我しなかった?” ”もう帰った?” ”飯食った?” ”もうすぐ帰るから” ヒョンってこんなマメなタイプだったんだ。意外だな… そんな風に思いながら、同じメールを何回も何回も見ては ニヤニヤするチャンミンだった。 「ただいま〜」大きな声でユノは叫びながら、帰ってきた。 あ! チャンミンの顔がパッと輝く。 リビングのドアを開けて、ユノが転がるように飛び込んできた。 「チャンミナ〜〜〜」大きく腕を広げて、チャンミンに抱き付く。 ギューギュー抱きしめ、 「チャンミナーこれからは遠慮なくこうしていいんだろ?? もういやだ、とかやめろ なんて言うなよな」 チャンミンは口に出して、答えはしなかったが ユノの背に回した手にギュッと力を込めた。 そのままの状態でユノは 「なんか朝色々言ってたけど、全部チャンミナの誤解だから。 彼女なんか出来てないし、チャンミナに冷たくした覚えもないし、逆にチャンミナが こうするの嫌がってたから、我慢してたくらいで…」 チャンミンは自分が嫉妬で色々言ったことが恥ずかしくて、ユノの肩に顔をうずめて、 うんうんとうなづいた。 「チャンミナ… 朝言ってた事 ほんと?  もう一度言ってくれよ」 自分の肩に顔をうずめるチャンミンの肩を持ち、顔を覗きこんだ。 ユノにじっと見つめられた事と、朝思わず言ってしまった自分の想い… それを思い出して、チャンミンは顔が真っ赤になった。 「忘れた」 「何だよ〜。チャンミナ〜真っ赤な顔して、忘れたって!覚えてるから真っ赤な顔してるんだろ〜」 ユノはなおもチャンミンの真っ赤な顔を覗きこむ。 「なぁ〜チャンミナ〜頼むよ〜怒ってないおまえの口から聞きたいんだよ」 ユノは両手でチャンミンの頬を持ち、クイっと上をむかせた。 そして、自分のおでこをコツンとチャンミンのおでこに当てた。 「ヒョンはどうなのさ!僕は全然聞いてないよ」恥ずかしさを隠すようにチャンミンは叫んだ。 「聞きたい?」ニヤリと笑ってユノは チャンミンの耳元に顔を近づけ 「好きだ、チャンミナが好きだ」フーフー息を吹きかけながらそう言った。 チャンミンはくすぐったさから身をよじり、ユノの腕から抜け出そうとしたが ユノは強く強く抱きしめ離さなかった。 「チャンミナ…好きだよ…どうしてもっと早く気付かなかったんだろ? ずっとずっとこうしたかったのに」 耳から頬へそして唇へとキスを落とした。 つづく