ユノがアメリカに到着して、関係者に挨拶している様子がネットで流れた。 メールで無事に着いた事は確認しているが、映像で様子を見て、 「良かった、ヒョン元気そうだ」 そして、薬指に光る指輪を見て、チャンミンは頬が緩んだ。 しかし、その後何気に見ていたネットにチャンミンは体が強張った。 ”ユチョン渡米” 「え?」思わずその文字に反応して、その記事をクリックした 記事から飛んだ写真に写るユチョン… チャンミンのマウスを動かす指が止まり、固まった。 「ヒョンが持って行ったリュックと同じ物…  なんで? なんで??」 チャンミンは思わず携帯を探し、ユノのアドレスを開いた。 文字を打とうとした指が震えた。 「なんて、打つんだよ… ユチョンヒョンと逢うの? お揃いのカバンでアメリカ行ったの?」 …頑張ってるヒョンにそんな事聞けるわけない… ……信じよう  …ユノヒョンを信じよう… 偶然だ!偶然に決まってる。 ユノヒョンの言葉を信じよう… そう思い、パソコンを閉じた。 そして、携帯に文字を打った。 チャンミンがようやく眠りにおちた夜明け前、携帯が鳴った。 「あ、ヒョン」 「チャンミナ?そっち何時?電話して、ってどうした? 寝てた?悪い悪い… チャンミナ、大興奮だよ!やっぱこっちは違うよ! ダンスの先生もメンバーも全然違うよ!」 ユノは興奮気味にまくしたてた。 「うん、ヒョン良かったね。うん、頑張って あのさ、指輪つけてくれたんだね。ネットであがってたよ。 当分僕はつけられないな」 「そうだなぁ〜またすぐに見つかって、何やかんや言われるかもな。 でも、何言われてもいいから、すればいいよ! 起こして悪かったな。寝てるとは思ったんだけど、 どうしてもおまえの声が聞きたくて。 じゃぁまた連絡するから」 一方的にそう言い、電話は切れた。 チャンミンはフフッと苦笑いしながらも、嬉しかった。 ヒョンがかけてきてくれて、声が聞きたかったって… チャンミンの胸がキュンとした。 信じよう。 そんな日々が続き、あっという間に ユノのアメリカ滞在期間も終わりに近づいた頃 ネチズンの間でユノとユチョンのリュックが同じで同時期渡米 向こうで密会か!?と噂が広まっていた。 「僕が気づくんだから、そりゃファンも気づくよな…」 チャンミンはせっかく封じ込めていた気持ちの扉を またこじ開けられたように、不安で一杯になった。 そして、追い打ちをかけるように チャンミンとユノの関係を当然ながら何も知らないスタッフが 「チャンミンさん、ユノさんは向こうでユチョンさんに逢うって言ってました? 事務所には内緒ですよね?」 と小声で聞いてきた。 「知らないよ!そんな事聞いてないし!逢う理由なんか何もないじゃないか!!」 そう怒鳴るチャンミンに驚いた様子で 「そ、そうですよね。すみません。ファンの噂ですよね。変な事言ってすみません」 慌てて、謝った。 「そうだよ!… 逢う理由なんて…  もう何1つない!」 チャンミンは飛び出してしまった不安な気持ちを押し戻すように 必死で自分に言い聞かせた。 そして、ユノが帰ってくる日 チャンミンは久しぶりにユノに逢える嬉しさと どうしても思い出してしまう不安な気持ちを抱えながら 時を過ごした。 「ただいま〜チャンミナ〜」 沢山の荷物を抱えて、ユノが帰ってきた。 「おかえり、ヒョン」荷物を受け取り、部屋に入ろうとする チャンミンの腕をつかみ、引き寄せキスをした。 ひとしきり唇を激しく交わし、ようやく満足したように 離れたユノは改めて、チャンミンをきつく抱きしめ、 耳元で「逢いたかった」と囁いた。 フーっと溶けていくチャンミンの心 「あーヒョン…」ユノの肩に顔を埋めた。 しばらく抱き合った後、ユノは片手でチャンミンの肩を抱き、 部屋に向かいながら 「なぁーチャンミン聞いてくれよ!…」 楽しそうに話し出した。 ソファに引っ付いて座り、ユノはチャンミンの手を撫でながら アメリカのみやげ話をした。 ユノに撫でられるチャンミンの手が、初めはくすぐったいだけだったが 執拗に撫でられるうちに次第に違う感覚に変わっていった。 その感覚が恥ずかしく、チャンミンは手を引っ込めようとしたが ユノに止められ、またしつこく撫でられた。 段々とユノの声が遠のいていく。 「……  ッンハ…」たまらずチャンミンはユノの肩に頭をのせた。 「…  ん?チャンミナ…もう待ちきれなくなった?」 「ち!!違うよ!!」チャンミンは真っ赤になってパッとユノから離れた。 「なんだ、違うのかよ。やっとチャンミナから来てくれたのかと思って 喜んだのに」 そう言って、ユノはチャンミンを引き寄せ耳を舐めだした。 「……  ァ ……」 「シャワー一緒に行く?」卑猥な音を立てて舐めながら、ユノは聞いた。 「嫌だ!」冷たく言い放つチャンミンにユノは 「なんでだよ!」拗ねたように聞く。 「すぐに立ってられなくするくせに、我慢して立ってろ!って…… あれ……  辛いんだからな!」 チャンミンはユノから目を逸らせて、怒ったように訴えた。 ユノは目を細めて、愛おしそうにチャンミンの顎を持ち 自分の方に向かせて、おでこをコツンとあわせ 「あの時のチャンミナが最高に可愛いのに」 そう言って、キスをした。 「じゃぁ仕方ない、一人で浴びてくるか…。 チャンミナ シャワー浴びた?」 「うん」少し照れたように頷いたチャンミンに 「やっぱり準備万端じゃん!!」そう笑ってユノは浴室へと消えた。 つづく