博士とジョージ君

その２

・登場人物

博士

ジョージ

シャルロット(シャル)

ナレーション(ナレ)

ナレ ｢とある所に一人の科学者と助手がいました。

科学者は実力を持ちながらも

その性格のせいで誰からも見向きもされない変わり者。

助手ジョージ君もそんな変わり者と一緒にいる変わり者。

そんな二人は今日も変な研究を続け、

変な発明を行うのでした｣

研究室で黙々と研究を続けている少女シャルロット。

そこに博士が勢いよく飛び込んでくる。

博士 ｢ジョージ君！　ついに完成したぞ！｣

そんな博士に驚きその場にへたり込んでしまうシャルロット。

シャル ｢うわぁ！？　な、なんですか！

何があったんですか博士？｣

そんな彼女を見て不思議そうな顔をする博士。

博士 ｢ん？　お前は誰じゃ？｣

シャル ｢誰じゃって……、助手のシャルロットですよ。

先週、先輩と一緒に紹介を……｣

博士 ｢わかったぞ！

貴様、学会の連中が送ってきたスパイだな！

そうか……ついに連中、

ワシの研究に恐れをなしてスパイを……。

クックック……(何か嬉しそうに)｣

シャル ｢え？　え？｣

状況を飲み込めず混乱するシャル。

そこにジョージが帰ってくる。

ジョージ ｢ただいま〜……って、

二人とも何してるんですか？｣

博士 ｢おお！　ジョージ君！

ちょうど良い所に来た！

今からこのスパイを捕まえるぞ！｣

シャル ｢ええ！？　スパイ？　あたしが！？｣

博士 ｢くっくっく、大人しくするんじゃ！

このスパイめ！｣

ジョージ ｢はいはい、落ち着いてください｣

そう言って博士を抑えるジョージ。

博士 ｢ぬお！？　ジョージ君！？

何をするんじゃ！？｣

ジョージ ｢彼女はスパイじゃありませんよ。

ここに来た奇特な……ゴホン、

優秀な助手ですよ｣

博士 ｢……そうなの？｣

ジョージ ｢そうです｣

博士 ｢な〜んじゃ、スパイじゃなかったのか……｣

つまらなそうにする博士。

ジョージ ｢そうですよ、先週紹介したじゃないですか｣

博士 ｢う〜ん……、

研究に夢中で聞いてなかったかも知れんな……｣

ジョージ ｢やっぱりな、

どうりで静かだったわけだ……｣

博士 ｢まぁ、ともかく、ワシの研究所にようこそ。

ワシの事は『全宇宙最高の頭脳』、

または『宇宙史最大の大発明家』と呼んでくれたまえ！

はっはっは！｣

シャル ｢はい！　博士！｣

博士 ｢うむぅ……、ジョージ君みたいに冷たいな……｣

シャル ｢あたしはシャルロット・ゲイル、

大学での博士の発表に感銘を受けまして、

助手にさせていただきました！｣

博士 ｢ほう、連中より見る目はあるようじゃな｣

シャル ｢いつかは博士のように、

すばらしい発明家になりたいと思っています！｣

ジョージ ｢……博士みたいのが増えるのは嫌だな(ボソッと)｣

博士 ｢ん、何か言ったか？｣

ジョージ ｢いえいえ、何でもありませんよ。

それより、今度は何を作ったんですか？｣

博士 ｢聞いて驚くな……、動物を人型にする装置だ！｣

シャル ｢人型って……、

狼男とか蝙蝠男とかにする装置って事ですか？｣

博士 ｢その通りじゃ！

そして、マウスによる実験も成功させた！｣

シャル ｢おお、凄いです！｣

博士 ｢名付けてミ……｣

すぐに博士の言葉をさえぎって、

ジョージ ｢今すぐ捨ててきなさい！｣

ナレ ｢こうして今日も博士は変な発明を生み出し、

周りに何となく迷惑を振りまくのでした。

新しい助手も加わり騒がしくなる研究所。

しかし、彼の研究が認められるのはいつになるのか、

それは誰にもわかりません｣

博士とジョージ君　その２　終わり